「営業をフリーランスに任せる」とは?
エクスチームが様々な疑問に答えるセミナーを開催

パーソルイノベーション株式会社が提供する、外部人材活用システム「エクスチーム」は9月13日、「フリーランス営業職」にスポットを当てた「営業をフリーランスに任せてみたら? フリーランスの営業職と作る、新しい組織運営方法」を開催しました。

 

■開催の背景
企業の人材不足課題を解決する在り方として、フリーランスなどの「外部人材の活用」への注目が集まっていますが、活用するにあたり多くの不安や課題があり、十分に進んでいないのが現状です。また、実際に活用したことのある企業から「期待成果を出してくれていない」「コミュニケーションが難しい」と、フリーランス活用そのものに疑問を感じている声も聞こえます。

そこで今回のセミナーでは、「フリーランス営業職」にスポットを当て、営業をフリーランスに任せることとは? メリット・デメリットは? などの疑問にお答えすべく、フリーランス営業職と企業をつなぐプラットフォームを手掛けるカクトク株式会社 満田聖也氏と、フリーランス営業組織を運営するヴァンテージポイント株式会社 村松豊氏のお二方をお招きし、2つの視点を通して、実態や新しい組織運営の在り方についてお話しいただきました。

会場にはフリーランス活用を検討したい企業様や、実際にフリーランスとして活動されている方を中心に多数のご参加があり、質問を随時受け付けながら、トークセッションという形式で話を進めていきました。質疑応答も含め、その一部をご紹介します。

■登壇者のご紹介
  カクトク株式会社 代表取締役 満田 聖也氏
即戦力のフリーランス営業職と企業をつなぐ、 「kakutoku」を運営。個人の働き方を自由にするために、企業の活用促進を図りたいという思いのもと、実際に同社でも多くのフリーランスを活用。2019年4月には1.4億円を調達。
https://kakutoku.jp/


「kakutoku」について

 

満田:カクトク株式会社は、営業のフリーランスと企業をマッチングするプラットフォームを運営しており、企業が営業を「業務委託」という形で依頼できる仕組みを提供。企業の働き方や営業戦略を変えていくというチャレンジをしています。
現在、営業スキルに特化したフリーランスの方々約4,000名に登録いただいており、平均年齢は33歳。5~10年の営業経験を持つ「今、現場で動ける即戦力」が多く登録しています。

飛び込み営業による新規開拓から「展示会で集めた名刺をさばききれていない」「資料請求リストからメールやテレアポをしてほしい」といったニーズへの対応、インサイドセールス、フィールドセールスなどあらゆる営業プロセス・手法をカバーしています。

 

カクトクの特徴は、登録いただいている4,000名から、オンラインサービスで最短7日で外部営業チームをつくれるところ。どういった企業に利用いただいているかというと、「スタートアップで数億円調達し、一気にマーケットやプロダクトを広げていきたい」といったケースや、大手企業の新規プロジェクト、外資企業の日本進出などです。

また、質の高い外部営業チームをつくるための仕組みとして、営業即戦力のコミュニティ形成や、歩合制の禁止と固定報酬の導入、サポートチームや専用システムでの支援を行っています。

 ヴァンテージポイント株式会社 代表取締役 村松 豊氏
28歳から7年間フリーランス営業職として活躍。トップセールスとして高く評価される。委託先企業にて取締役として組織運営・事業所立ち上げを経験後、独立。 “営業職の働き方の再定義”を、という思いをもとに、フリーランスの営業組織を運営。
https://vantage-point.co.jp/


ヴァンテージポイント株式会社について

 

村松:ヴァンテージポイント株式会社は、フリーランス営業職のマネジメント会社です。
私自身、8年間フリーランス営業として活動し、個人で複数の企業と業務委託契約を結んでいました。「このような形態は増えていく一方なのに、サポートしてくれる会社が無い」と思ったのが起業のきっかけです。

 

フリーランスという働き方は、もはや生き方だと思っていて、しかも、あらゆるストレスから解放される“中毒性”のある生き方だと思っています。しかしフリーランスとして一生生きていく場合、そこにはもちろん課題はあって、それは以下の9つに集約できます。

<フリーランスが抱える9つの課題>
1.完全歩合への不安
2.何を売れば良いか
3.どう売れば良いか
4.働く場所
5.雑務に追われる
6.孤独・寂しい
7.社会的信用の低さ
8.キャリアを積みにくい
9.不安定な収入

こういった課題に、ヴァンテージポイントは独自のソリューションで対応し、安心してフリーランスとして働ける環境を提供しています。また、現在フリーランス営業職の活用を最も体現しているのは外資系の生保業界だと思いますが、今後は業界問わず労働集約型の属人的なサービスは業界今後どんどんフリーランスに切り替わっていくと思います。

■トークセッション
フリーランス営業職を導入してから組織化するまでの流れと課題について、満田様にはフリーランスと企業をマッチングする視点から、村松様にはフリーランスをマネジメントする視点から、フェーズごとにQ&A方式でお答えいただきました。

<導入期>

フリーランス営業職の実態。共通点やモチベーションとは

満田:当社に登録いただいている方の、経験年数のボリュームゾーンは5~10年で、年齢層では28~35歳くらい。比率でいうと、インサイドセールスをする人が少ない傾向があります。逆に、今までバリバリフィールドセールスをしていた人たちが、営業効率を考えてインサイドセールスに切り替えるケースはすごく増えてきています。

村松:フリーランスの方々のモチベーションは、高額報酬×高い自由度。ただし、勘違いしている人もまだまだたくさんいるのが現状です。強みや専門領域がある人がフリーランスになるのが本来のあるべき姿だと思いますが、「新卒です」といった方のご応募もあり、フリーランスに対する認識を正していく必要があると思っています。年齢や業界に特に偏りはありません。

固定報酬と成果報酬、どちらに比重を置くべき?

満田:当社に登録されているフリーランスの方で、固定報酬と成果報酬案件を同時に抱えている方は少なくありません。そうすると固定報酬のほうがマインドシェアは高くなり、歩合報酬との差は意外と大きいと感じています。
もちろん、完全成果報酬のほうが結果を出す方もいらっしゃいます。しかし、本当に成果を出す人は5%程度。確率論で考えると、マネジメントしやすく業績につながりやすいのは固定報酬というのが当社の結論です。

村松:私がフリーランスの営業職を始めたときは、固定報酬という概念自体がなくフルコミッション(完全歩合制)のみでした。そのような環境で自分を追い込んだことで、初めて力を発揮できる部分はあるとは思います。当社では契約の3分の2がフルコミッションで、その方たちのほうが生産性は高いと感じます。一方で、フリーランスの方と面談をすると、8割の方が固定報酬を求める傾向にあり、ボリュームゾーンのニーズを把握しながらフリーランスの方を集客し、マネジメントする必要があると感じています。

 

契約時に注意すべきこととは

満田:事業フェーズや目的によって違うと思いますが、いちばんトラブルになりやすいのは、暗黙知で「大丈夫だろう」と契約するケース。極端な例でいうと企業から「100件受注をお願いします」というオーダーのみがあり、営業が「わかりました」と口約束をしてしまったりすることです。営業目標に対して、理論値でどのくらい行動量が必要なのかということをきちんと把握したうえで、契約することが必要だと思います。

村松:お互いのために、契約内容はガチガチにすべきだと思います。契約書は管理するものでもあるし、同時にメンバーを守るものでもあるからです。 また、固定報酬を発生させる案件の場合は、定量目標まで契約書に組み込んだほうが良いと思っています。

<育成期>

フリーランス営業職に伝えるべき必須項目

満田:営業先やターゲットに関する情報は先にインプットいただいたほうが良いと思います。「アポイント20件取れました!」と言っても、企業側が想定するターゲットと全く違うといったケースもよくあります。そのような状況を回避するために、営業先の社名や部署、どのレイヤーの方がターゲットなのかを事前にリストアップして確認しあい、チューニングすることも重要です。

また、最初に伝えたほうがいいポイントとしては、やはり商材の良さだと思います。同時に、NGワードも伝えておくと、より効果的です。これらのインプットのために、最初の1~2ヶ月はコミュニケーションをとりやすい体制をつくっておくことも大事だと思います。

村松:マネジメントについては、正社員の営業も、フリーランスもほぼ一緒。教育することも必要だと思います。

フリーランス営業職のプロセス管理・業績管理・フィードバック方法とは?

満田:プロセスについては、稼働日に日報を記入してもらい、少なくとも隔週20~30分は対面orオンラインでのミーティングをしています。業績管理は、企業が営業報告を通じて見ていく必要があります。
正社員の場合、ヨミの“肌感”を共通認識しやすいですが、フリーランスの場合は言語化されていないことは伝わりづらいため、段階を設定して商談管理するのが効果的です。例えば、顧客の意思決定ベースや、顧客の行動ベースでのマネジメントを推奨します。

村松:フリーランスのタイプによって、マネジメントの関わり方は大きく変わってくると思います。例えば当社のフリーランスでは、「もっと稼ぎたい」という層と、ワークライフバランス重視で「生活できる程度の報酬があれば十分」という2つの層にだいたい分かれるのですが、仕事を通じて実現したいライフスタイルが違いますから、管理の方法も当然異なってきます。

フリーランス営業職が自走できるようになるまでの期間は?

満田:最低でも2~3ヶ月はかかるかなと思います。どのくらい稼働してもらうかにもよりますが、商材によってはもっとかかるケースもあります。

村松:同じような感覚ですね。

 

複数企業と契約しているフリーランスの方に自社を優先してもらうには?(報酬以外のフックで)

満田:例えば営業で成果が出ていない、という場合、どこに問題があるのかをヒアリングしたり、自分たちの商材の魅力を伝えて、フリーランスの方にちゃんとファンになってもらうことに注力するなどのコミュニケーションが必要だと思います。

村松:結論、人間関係ですね。フリーランスはやはり孤独なので、一周回って「何かに属したい」という方も多い。当社ではコミュニティで居場所をつくり、自分と同じ境遇の方と会って情報交換できる機会を持ってもらっています。こういう取り組みによって、仕事に前向きになってもらえることも多いと思います。

フリーランス営業職の方への指揮命令や留意する点

満田:当社はプラットフォームという立場なので、基本的には指揮命令はできません。代わりに契約書できちんと握るということを推奨しています。何か問題があれば、契約自体を変更したり、そこまでいかなくても発注の内容を変更するということをメール等で残す形でフレキシブルにやっています。

村松:フリーランスの目的は「高額報酬×高い自由度」。その目的をクリアすることが大事なわけですから、「そのためにこうしていきましょう」と強力にグリップを握っていきますね。

<管理フェーズ>

フリーランス営業職の導入を拡大する上での、マネジメントコスト・管理専任担当の必要性

満田:例えば新規事業でフリーランス営業を組織化したい場合、30名、50名という単位になってくると、当然専任担当が必要になってきます。しかしながら、企業はなかなか人手をかけられないというケースも多く、その場合はマネージャー自体もフリーランスから採用して、組織化するという方法もあります。

村松:当社の営業マネジメントでは、フリーランスの顧客基盤や報酬が安定してくると、当社のマネジメントから外して、自走してもらいます。また、フリーランスもキャリアを積めるような仕組みを作りたいと思っているので、プレーヤーとして成果を出した人にはコンサルタントラインやマネージャーラインに移行してもらい、ボーナスを発生させて、ちゃんと報酬として反映させるようにしています。

フリーランス営業職の未来

満田:大半の企業が常に営業課題を抱え、しかも人手が足りていません。さらに働き方そのものが多様化するなかで、フリーランスは今後、スタンダードになっていくと思います。
一方「それで成果がでるのか?」という疑問が企業にはあると思いますので、そういった不安や疑問を解決する仕組みを作っていきたいと思っています。

村松:私が共感するのは、外部人材と内部人材の融合組織(=オープンイノベーションカンパニー)という考え方。労働人口は減っている一方で、フリーランスの割合は確実に増えてきています。一方、フリーランスの営業職自体はまだまだ一般的ではありませんが、就業人口の中での一番大きなボリュームゾーンは営業職です。そこにフリーランスをうまく活用できる会社が生き残ると思います。
また将来的には、教育の場を整えていきたい。そうすることで、フリーランスに対する意識を変えて、例えば新卒の学生の進路として、大手企業、ベンチャー企業、などと同じように、「フリーランス」が選択肢に入る世の中になればよいなと思っています。

■質疑応答
最後に質疑応答が行われ、参加者からは多くの質問が飛び交いました。
たとえば、「フリーランス営業職に依頼するサービスで、相性のよいものは?」という質問に、満田氏は「現時点で多いのは、サブスクリプション型かつ、リードタイム短めの商材。ただし、営業の正社員と同じマネジメントしていけば、リードタイムが長いものでもいけると思います。マネジメント次第です。」と回答。

村松氏からは「フリーランサーの懐事情にもよって変わる部分があります。『ぶっちゃけ、貯金がないです』という人には、サブスクリプション型は辛いと思います。」とリアルなお答えをいただきました。

また、「フリーランス活用のデメリット、ネガティブな面も教えてほしい。」という質問には、村松氏から「フルコミッションの場合、稼働率の問題は間違いなくある」という指摘とともに、定量目標をこちらで提示できない形では、“幽霊部員”的なケースが起こり得ることにも言及。行動量を促進するためには、リードする座組も必要とのお答えがありました。

満田氏からも、「フリーランスだからといって、マネジメントコストはゼロではない」という指摘のもと、「福利厚生などがない代わりに時間単価は高いので、フルタイムで契約すると、正社員より少し割高にはなる」という実状が明らかに。したがって、「例えば飲食店への営業の場合、オーナーさんが対応する『有効営業時間』だけに絞って契約をすると、時間単価は高いけれど、最終的なCPAは良いという状態を作り出せると思います」と、具体的な例を挙げながら率直に回答いただきました。

●エクスチームについて https://www.exteam.jp/
昨今、働き方の多様化やキャリア自律志向の高まりなどにより、副業を含むフリーランス人口は増加傾向にあり、一方で労働力不足による採用難という課題を抱えている企業は多く、プロジェクト単位で業務発注ができるフリーランスへの注目が集まっています。しかし、フリーランス活用においては、業務発注や契約管理にかかる工数や、同一企業内でのフリーランス人材の資産化のハードルの高さなどから、日本では欧米などの諸外国と比較して企業におけるフリーランス活用は十分に進んでいないのが現状です。

このような状況を受け、パーソルグループの新規事業として2019年5月よりサービス開始した「エクスチーム」は、企業におけるフリーランス(業務委託)人材の活動開始から請求管理までの一元管理化を実現する法人向け外部人材管理・活用システムです。フリーランスのリスト化から、業務発注、プロジェクト管理、請求管理、評価を一元管理することで外部人材の資産化を可能にし、企業に対しては「適切な人材リソースを雇用形態に捉われず活用できる世界」を、個人に対しては「一人ひとりが多様な働き方が選択できる世界」を創る、というビジョンのもと、企業の外部人材の活用拡大をお手伝いしています。

●パーソルイノベーションについて https://persol-innovation.co.jp/
パーソルイノベーション株式会社は、パーソルグループの次世代の柱となる事業創造を目的として、2019年4月に発足しました。テックコミュニティサイト「TECH PLAY(テック プレイ)」、日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「eiicon(エイコン)」、シフト管理サービス「Sync Up(シンク アップ)」をはじめとした新サービスを運営するとともに、新たな事業開発やオープンイノベーション、デジタルトランスフォーメーションを推進、パーソルグループのイノベーションを加速していきます。

本件に関するお問い合わせ

〇「エクスチーム」について 責任者 片山 徹之
お問い合わせフォーム

〇 取材のご依頼について 広報担当 首藤(シュドウ) 真由子
お問い合わせフォーム

はてなブックマーク
Mail
ニュース一覧へ戻る